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KiK-net益城は前震、本震とも「震度6強」

 KiK-net益城での計測した最大加速度は、前震が1580ガル(cm/s2)、本震が1362ガルだった(南北、東西、上下の3成分の合成値)。前震のほうが最大加速度は大きいが、気象庁と同じ計算式で求めた計測震度はどちらも「6.4」だった。

 計測震度が6.5以上で、震度階級は「7」となる。つまり、KiK-net益城での震度は前震、本震とも震度7に近い「6強」だ。ならば、前震で震度7だった町役場の震度は、本震ではどうだったのだろうか。

 KiK-net益城の観測記録をみると、前震と本震とで地震動の特徴は異なる。まず3成分合成の最大加速度は前震の方が大きいが、東西・南北の水平方向の揺れは本震の方が大きい。

KiK-net益城の加速度波形。左が前震、右が本震(資料:防災科学技術研究所)
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KiK-net益城の加速度波形。左が前震、右が本震(資料:防災科学技術研究所)
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KiK-net益城の加速度波形。左が前震、右が本震(資料:防災科学技術研究所)

 さらに、どの周期成分の波が卓越していたかをみると、前震では0.5秒程度の短周期の波が卓越していたのに対して、本震では1秒程度の周期の波が卓越している。

KiK-net益城の速度・加速度応答スペクトル。左が前震、右が本震(資料:防災科学技術研究所)
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KiK-net益城の速度・加速度応答スペクトル。左が前震、右が本震(資料:防災科学技術研究所)
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KiK-net益城の速度・加速度応答スペクトル。左が前震、右が本震(資料:防災科学技術研究所)

 観測記録から計測震度を計算する過程でフィルターをかけて補正する。そのフィルター特性が下のグラフだ。黒線の「総合」をみると、1~2秒付近にピークがある。簡単に言えば、周期1~2秒が卓越した地震動は、計測震度が大きくなる傾向があるということだ。

震度計算のためのフィルター特性(資料:気象庁)
震度計算のためのフィルター特性(資料:気象庁)
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