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 岩手県陸前高田市の防災集団移転促進事業で2015年に発生した造成宅地の沈下は、降雨などの浸水で体積圧縮が生じる「コラプス沈下」であることが市の調査で明らかになった。

2013年12月公表の下沢住宅団地の平面図。南側の2区画で地盤沈下が生じた(資料:陸前高田市)
2013年12月公表の下沢住宅団地の平面図。南側の2区画で地盤沈下が生じた(資料:陸前高田市)
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 昨年9月、同市竹駒町で造成した下沢住宅団地の5区画のうち、2区画の地盤が2cmほど沈下していることが分かった。現場で発生した土砂を利用した盛り土地だった(関連記事:造成地で原因不明の沈下、陸前高田で問題相次ぐ)。

 市が沈下した地盤で圧密排水三軸圧縮試験を実施したところ、飽和状態の粘着力が不飽和状態時と比べて半分近くに低下していたことが判明。砂れき土が6割、シルト・粘土が4割だった。

 調査の結果、不飽和土が雨などを吸水した際、間隙水の負圧によって保たれていた土の構造が破壊されて、体積が圧縮する「コラプス沈下」が発生したと結論付けた。

 沈下が生じた1区画では、土中に杭を打設して地盤を強化したうえで、中断していた建築を再開した。一方、もう一つの沈下が生じた区画では、移転予定者が建築を中止。市は別の移転者を募集するために、地盤の補強方法を検討している。

 土地造成の施工者に落ち度はなかったとして、杭の打設や地盤改良に要する費用は市が負担する方針だ。