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 三井住友建設と片山チエン(大阪府東大阪市)は共同で、高速道路などのプレキャストPC(プレストレスト・コンクリート)床版の間詰め部に、端部を拡径した鉄筋を使用する「トランクヘッド工法」を開発した。ループ継ぎ手による施工と比べて、配筋を省力化でき、コンクリートを充填しやすくなる。

トランクヘッド工法で使用する鉄筋。端部を熱してプレス加工している。現時点では直径19mmの鉄筋まで加工可能(写真:三井住友建設)
トランクヘッド工法で使用する鉄筋。端部を熱してプレス加工している。現時点では直径19mmの鉄筋まで加工可能(写真:三井住友建設)
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床版継ぎ手部の模型。アクリル部分がプレキャストPC床版の端部を表している(写真:三井住友建設)
床版継ぎ手部の模型。アクリル部分がプレキャストPC床版の端部を表している(写真:三井住友建設)
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 プレキャストのPC床版同士のつなぎ目には、一般的な鉄筋を使った重ね継ぎ手よりも現場打ちコンクリートの打設量を少なくできる「ループ継ぎ手」が一般的に使われている。ループ状に加工した鉄筋がかさばるために、床版には最低でも240mmの厚さが必要とされる。開発した工法では、床版厚を220mmに抑えられる。

 トランクヘッド工法は鉄筋先端部の径を円すい台形状に拡大した「コブ」状の突起が、コンクリートとの支圧力を発揮するため、重ね継ぎ手として必要な定着長を鉄筋径の15倍程度に抑えられる。通常の鉄筋では、鉄筋径の30倍ほどの定着長を確保しなければならない。プレキャストPC床版間の間詰め部は、ループ継ぎ手を使用した場合と同程度の隙間になる。

 さらに開発した工法はループ継ぎ手よりも、現場での配筋作業が容易になる。従来は、ループ状の継ぎ手が付いた床版を2枚とも桁に設置してからでなければ、橋軸直角方向の補強鉄筋を設置できなかった。

 現在、高速道路で実施している更新事業では、すぐ隣の車線を規制しながら施工するのが一般的で、スペースの制約があるなかで長い補強鉄筋をループ内に挿入するのは至難の業だ。トランクヘッド工法では、1枚の床版を桁に設置した時点で補強鉄筋を並べればよい。