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 群馬県渋川市の運動場造成工事で、施工者が敷地外から計12tの岩を含む土砂を勝手に搬入して、盛り土に使用していたことが完成後に判明した。この現場では今年6月に、擁壁の施工ミスが明らかになったばかり。発注者の対応を含めて、ずさんな施工管理が浮き彫りとなった。

 問題があったのは、藤井建設(渋川市)が2014年6月に約9500万円で受注した「(仮称)北橘運動場造成工事」。15年2月に完了した。

2016年9月の完成を目指して整備する北橘運動場の平面図(資料:渋川市)
2016年9月の完成を目指して整備する北橘運動場の平面図(資料:渋川市)
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 主に5.3haの敷地内の土を切り盛りする工事で、当初の設計では敷地外からの土の搬入を見込んでいなかった。しかし、藤井建設は盛り土材が不足する恐れがあると判断して、大型ダンプトラック8台分の土砂を外から搬入し、現場に仮置きしていた。市建設部土木維持課は、「仮置きについて、事前に相談や協議はなかった」としている。

 結局、当初の設計どおり、現場内の土砂が不足することはなかった。しかし、市によると、同社は誤って仮置き土を盛り土に使用してしまったという。問題発覚後、市の調べに対して「片付けるつもりだった」と弁明している。

 さらに、仮置き土の中には、30cm角や80cm角など、大小様々な岩が含まれていた。市の調べによると、岩を取り出してから盛り土材として使用する予定だったが、実際はそのまま使ってしまったようだ。藤井建設は取り除かなかった理由について、「弁護士と相談中でコメントできない」としている。

 土が不足すると施工者が勘違いするような背景もあった。工事前に埋蔵物発掘調査で地表面の一部を掘削したために、工事着手時の地表面と設計図面が少し異なっていたことだ。ただし、敷地内の土の総量は変わっていなかったので、外部から土を運び込む必要はなかった。

 一方、仮置き土の搬入に気付かなかった市の施工管理体制にも課題が見える。市の監督員が現場に向かう回数は週に1~2回ほど。市によると、施工者から口頭で「土が不足するかもしれない」と聞いていたが、その後、不足する数量や対策などの具体的な報告を受けないまま、工事が完了した。土の不足問題は解消されたと考え、施工者が仮置き土を搬入したことも、盛り土材に使ったことも把握していなかった。