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事例(4)山岳トンネルの掘削面計測
2台の地上型スキャナーで細長い現場を3D計測

 山岳トンネルの掘削内面は、岩肌の形がそのまま出ているため、非常に複雑な形状だ。それを正確に記録する方法としては3Dレーザースキャナーしかないと言っても過言ではない。

 小林コンサルタントは570mの掘削区間を地上型スキャナー(GLS-2000)を使って合計30カ所で、1.5日かかって現場計測した。そのデータを合成して1つの点群データを作成するのに同じく1.5日間かかった。

 山岳トンネルのように細長く、場合によってはカーブもあるような現場では、トンネルの軸線が狂いがちだ。そのため、「マーカー」と呼ばれる球を目印に複数の点群を合成する方法は大幅に誤差が出てしまう。

 この計測で使用したGLS-2000には、トータルステーションのように別の計測点との相対位置を正確に計測できる機能がある。そこで細長いトンネル内に分布した計測点の座標を正確に測り、そのデータに基づいて各点群データを合成することによって非常に正確なトンネル内面の点群データを作ることができた。

 このほか、小林コンサルタントでは6万5000m2の道路造成現場で、着工前に地上型スキャナーで計測した点群データと、施工後にドローンで計測した点群データを比較して土量計算を行った。

地上型スキャナーで計測した山岳トンネル内面の3D形状(資料:小林コンサルタント)
地上型スキャナーで計測した山岳トンネル内面の3D形状(資料:小林コンサルタント)
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点群データの全景(資料:小林コンサルタント)
点群データの全景(資料:小林コンサルタント)
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点群データから作成した縦断面図(資料:小林コンサルタント)
点群データから作成した縦断面図(資料:小林コンサルタント)
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点群データから作成した横断面図(資料:小林コンサルタント)
点群データから作成した横断面図(資料:小林コンサルタント)
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着工前に地上型スキャナーで計測した点群データ(資料:小林コンサルタント)
着工前に地上型スキャナーで計測した点群データ(資料:小林コンサルタント)
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施工後にドローンで計測した点群データ(資料:小林コンサルタント)
施工後にドローンで計測した点群データ(資料:小林コンサルタント)
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両者の点群データの比較による土量計算(資料:小林コンサルタント)
両者の点群データの比較による土量計算(資料:小林コンサルタント)
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 また、前年度に他社が計測し、発注者にLandForms形式で納品した点群データと、今年度に自社で計測したデータと比較する、といった他社のデータ活用も行っている。

 田嶋氏は「発注者から貸与されたデータを使っても、比較や計算ができる。ただし、データによってはXYZ座標やカラー情報などの並び順が異なる場合があるので、注意が必要だ」と説明する。

 このほか、同社ではMMSで計測した点群データから路面のわだち掘れの深さを計測したり、測定距離の違う2種類の地上型スキャナーを使って土砂崩れなどの災害現場全体の点群を作成したりする業務も行った。

他社が計測した前年度のデータ(左)と自社で計測した今年度のデータ(右)を比較し、容積の増分などを計算することも可能だ(資料:小林コンサルタント)
他社が計測した前年度のデータ(左)と自社で計測した今年度のデータ(右)を比較し、容積の増分などを計算することも可能だ(資料:小林コンサルタント)
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MMSの点群データからわだち掘れの深さを計測した例(資料:小林コンサルタント)
MMSの点群データからわだち掘れの深さを計測した例(資料:小林コンサルタント)
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計測可能距離が異なる2台の地上型スキャナーを使って土砂崩れ現場全体の点群データを作成するイメージ(資料:小林コンサルタント)
計測可能距離が異なる2台の地上型スキャナーを使って土砂崩れ現場全体の点群データを作成するイメージ(資料:小林コンサルタント)
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 業務の目的と現場状況によって、ドローン、地上型3Dレーザースキャナー、そしてMMSを使い分けたり、紙図面をもとに作成した点群データや他社が計測した点群データなども柔軟に活用したりする小林コンサルタントの点群活用法は、施工管理や災害復旧などを効率化する上で大いに参考になりそうだ。