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現地調査の手間を半減

 岐阜市の建築設計事務所、アーキ・キューブの代表取締役、大石佳知氏はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の先駆的ユーザーとして知られる。

 同事務所では以前からBIMソフト、「Revit」を新築物件の設計に使用してきたが、2013年からは中古住宅のリフォーム工事にもBIMの活用を拡大した。そこで問題となったのは、既存住宅をどうモデル化するかだった。

 「図面が残っていれば、現地で各部の寸法を測り、図面との誤差を確認すればいいですが、明治から昭和初期にかけて建てられた建物は、図面が残っていない場合も多くあります。そんな住宅の場合は、現地で各部の寸法を測って図面化する必要があり、手間ひまが30人工(にんく)程度はかかります」と大石氏は語る。

 しかし、この3Dスキャナーがあれば、1カ所の計測に約10分、建物全体でも2時間ほどで計測作業が完了する。

計測された点群データは建物内部が細部まで記録されている(資料:アーキ・キューブ)
計測された点群データは建物内部が細部まで記録されている(資料:アーキ・キューブ)
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 後はソフト上で複数の点群データを1つにまとめて、BIMソフトに読み込み、立体的にトレースを行うだけで現状の建物のBIMモデル化ができる。

 「例えば、ある建物の現地調査では、従来の方法だと現地で寸法を測る作業に約15人工、図面化に約15人工、合計30人工かかった。一方、この3Dレーザースキャナーを使うと、BIMモデル化まで10~15人工でできる」と大石氏は説明する。

点群データ上を立体トレースして、BIMモデルを作っていく(資料:アーキ・キューブ)
点群データ上を立体トレースして、BIMモデルを作っていく(資料:アーキ・キューブ)
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完成したBIMモデルの内部(左)と外観(右)(資料:アーキ・キューブ)
完成したBIMモデルの内部(左)と外観(右)(資料:アーキ・キューブ)
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岐阜県情報技術研究所の協力を得て開発

 この3Dレーザースキャナー正式名称は「現況建物測定システム」と言い、2013年度補正予算の「ものづくり補助金」を受け、岐阜県情報技術研究所の協力を得て開発した。

 水平・垂直2方向に回転する高精度パンチルト・ユニット雲台と、計測距離30mのレーザーセンサーを、アルミ製アングルを介して取り付けた形だ。 また、この3Dレーザースキャナーを制御し、点群データを作成するソフトも開発した。これらの開発には、約350万円のコストがかかった。

3Dレーザースキャナーのシステム構成(左)。外観と座標系(右)(資料、写真:アーキ・キューブ)
3Dレーザースキャナーのシステム構成(左)。外観と座標系(右)(資料、写真:アーキ・キューブ)
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3Dレーザースキャナーを制御するソフト(資料:アーキ・キューブ)
3Dレーザースキャナーを制御するソフト(資料:アーキ・キューブ)
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