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コロナの影響あらわ、渋谷に変調

2020年8月号

2020/07/17

 オフィス市場でコロナ禍の影響が顕在化しつつあります。日経不動産マーケット情報2020年8月号に掲載した成約賃料調査によると、IT企業が集積する渋谷では大規模ビルでのテナント解約が目立ち、3カ月前に比べ新規成約賃料水準の上限が4%ほど下落しました。6月末時点の空室率は都心5区の中で最も高い3.38%。前月から0.83ポイントの上昇です。要因の一つはテレワークの浸透。コロナ問題が収束に向かったとしても、テレワークを制度として定着させる企業が一定数いる見通しで、今後のオフィス市況に少なからぬ影響を与えていくとみられます。調査では、東京・横浜・大阪のオフィスエリア28カ所について成約水準を明らかにしました。ウェブサイトにも掲載の予定です。

 日本銀行の短観によれば、不動産会社の業況指数は6月末時点で-15。3月末時点の+17から、32ポイントの急落となりました。不動産取引は停滞気味で、本誌が第2四半期(4月~6月)に把握した取引総額も3555億円にとどまりました。同期の取引としては、2011年の東日本大震災直後に記録した2422億円に次ぐ少なさです。セクター別ではホテル・店舗の落ち込みが大きく、相対的に下落幅の小さい住宅・物流施設の存在感が高まっています。8月号に掲載した売買事例分析では、こうしたトレンドや期中の大型取引、物流施設の売買事例、オフィスの推定利回りなどをまとめています。

 コロナ問題は再び感染拡大モードに入り、長期化の様相を呈しています。再開した経済活動にも水を差された格好。安定的とみられていた賃貸住宅市場ですが、「今後1年で急速に下げ幅を拡大していくだろう」と、住宅分野を中心に不動産コンサルティングを手がけるスタイルアクトは指摘します。市場の先行きををどう見るか、何に着目すべきかについて、8月号で同社に解説してもらいましたので、ぜひご覧ください。

 売買レポートは、ヒューリックなどが取得したティファニー銀座本店ビルや、米ベントール・グリーンオークが取得した麹町大通りビル、三井物産系の私募ファンドが投資した大阪の物流施設など、24事例を収録。これらを含む取引112件を一覧表にまとめています。

 なお日経BPではこのたび、「ワークプレイスが創る会社の未来~成功企業に学ぶ戦略とオフィスのこれから」(三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部著)を発行しました。信託銀行の第一線で顧客企業の不動産戦略と向き合う専門家たちが、ワークプレイス改革を成し遂げた先端企業を取材し、長年にわたる不動産コンサルティングで培ってきた知見とともに、企業のオフィスのあり方、変化への取り組み方を詳しく解説します。アフターコロナ時代の必読の書となっていますので、ぜひご利用ください。

三上 一大日経不動産マーケット情報

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