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取引回復するも先行き不透明な賃貸市況

2020年12月号

2020/11/18

 国内金融機関による不動産業向け融資残高は増え続け、今年9月末時点で106兆円を超えました。賃貸資産の取得などに充てる設備資金の新規融資は2016年をピークに漸減傾向ですが、長引く低金利と相まって事業者にとって借りやすい状況に変わりありません。日経不動産マーケット情報2020年12月号の売買レポートでは、住友不動産が取得したJTビルや、モルガン・スタンレーが一棟保有にした有明セントラルタワー、日本ビルファンド投資法人が取得した新宿三井ビルディングなど、大型取引が並びました。コロナ禍の拡大でいったんは停滞した不動産取引ですが、経済活動の再開とともに徐々に回復しつつあります。

 ただ一方で、オフィス賃貸市況には変化の波が。12月号に掲載した企業移転ニュースのタイトルにある通り、予定していた移転先を変更したり、移転そのものを中止したりする企業が目立ちます。7月~9月期の実質GDP成長率は年率換算で21.4%と大幅に伸びたたものの、コロナ禍前の状態には及ばず、景気の先行き不透明感は相変わらずです。空室率をはじめとするオフィス指標は悪化が続き、調整局面入りが濃厚になってきました。今後の動向を注視する必要があります。

 12月号では、四半期ごとに実施している東京・横浜の建築計画調査も掲載しました。今回の調査では125件の開発プロジェクトが新たに浮上。野村不動産のPMOシリーズ3棟をはじめ、中規模オフィス開発が散見されます。他方で、ホテル開発は引き続き低調でした。どこでどのような計画があるか、本誌でご確認ください。

 長引くコロナ禍は不動産市況にどのような影響を与えていくのでしょうか。日経不動産マーケット情報では12月9日(水)、「2021年の不動産市況を読む~withコロナで変わるオフィス・住宅市場の行方」と題するセミナーを東京都内で開催します。各分野で深い見識を有する専門家をお招きし、足元の市況と来年の見通しを読み解いていきます。withコロナ時代の不動産ビジネス、投資戦略を考える材料として、ぜひこの機会をご利用ください。

三上 一大日経不動産マーケット情報

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