1階の募集賃料の水準は、銀座・表参道・渋谷は高水準で安定している。一方、新宿エリアや池袋エリアは大幅な上昇している。各エリアとも依然として期待値の高さが影響しており、エリア全体の実態としての賃料は大きな上昇感はない。
2019年下半期の1階募集賃料としては、銀座エリアや表参道エリア、渋谷エリアなどは上半期の大幅な上昇からは横ばいの状況。依然として期待賃料は高いが、成約賃料との兼ね合いの中で全般的には募集値も落ち着いてきている。
新宿エリアや池袋エリアは一段遅れて急上昇しているものの、こちらは期待値の高い高額事例に引っ張られており、実態としてはそれほど大きな変化はないと考えられる。
一方で、1階以外の募集賃料は各エリアともに上昇傾向が続いており、事務所の賃料水準が牽引する状況となっている。池袋以外は平均値が月坪3万円以上で安定しており、前年に比べると大きく水準が上がっている。
全国的な動きとして、消費増税後の小売りの弱さや人材不足などを背景に店舗の出店ニーズは低下傾向にある。都市部においても、今後期待値(募集値)と成約賃料に乖離が出てくる可能性はある。