1階の募集賃料の水準は、2019年第4四半期については前年ベースでは上昇を維持していたが、2020年第1四半期に入ってからダウン傾向の地区が増えている。今後は新型コロナウイルスの影響が少なからず賃料に影響を及ぼすことが想定され、現況も既存テナントの多くは賃料減額を要望している模様。新規物件はこれまでと同様の賃料水準で募集するが時間がかかっている物件が多い。
2020年第1四半期の1階募集賃料としては、銀座・新宿・池袋などは2019年下半期からやや上昇。一方、表参道・渋谷はダウンに転じた。各エリアの賃料は天井を打った感が強く、全般的には募集値も落ち着いてきている。
一方で、1階以外の募集賃料は依然として各エリアともに上昇傾向が続いており、事務所の賃料水準が牽引する状況は継続。各エリアで平均値が月坪3万円以上と安定している。
今後は2020年2月以降の新型コロナウイルスの影響により、インバウンド比率の高い街、飲食にシフトした繁華街はテナント退去が予想され、新規の出店が見込めない状況が続くと、空室が増え、賃料の低下が予想される。
路面店エリアでは2020年は通期で退店超過となる可能性が高く、ポップアップやイベント需要も期待できない。リーシングに苦戦し、エリアによっては賃料低下に結びつくと考えられる。