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株価を上げたいREITに重くのしかかる「会場費」

2006/09/29

 REITが投資主を集めて重要な議題を決める投資主総会は2年に1度、開くことになっている。多くはホテルの宴会場や会議場などを借りて開催しているが、その費用が馬鹿にならない。中小規模のREITの場合はその負担が相対的に重く、少しでも配当を増やして株価を上げたい運用担当者にとって頭の痛い問題になっているという。「公民館など公共の施設を利用したらどうか」との意見も出ているらしいが、この話を聞いたある投資家は「会場費を安く上げるのはいいが、あんまりみすぼらしいところだと参加しがいがないよねえ」と笑う。

 株価をいかに上げるかはREITの重要なテーマだ。株価が低迷すれば増資もままならず、資産規模を拡大することができないからだ。機関投資家が好む大規模のREITはいいとしても、個人投資家の比率が高めになる中小規模REITでは、潜在的な個人投資家層に投資法人の特徴や運用方針をアピールしていくことが大切だ。ただ、現実はなかなか厳しい。本誌がこのたび実施した個人投資家調査では、調査対象とした37投資法人のうち22投資法人については、7割を超える個人投資家が名前さえ認知していなかった。特に後発組の中小規模のREITに厳しい結果となった(調査結果は本誌2006年10月号に掲載)。

 9月26日に39番目となる日本コマーシャル投資法人が上場し、近いうちに某大手不動産会社系のREITも上場する。上場REIT数が40に達するなかで、不動産に関係する仕事をしている我々でさえも、各REITの運用資産や投資方針を瞬時に答えることは難しくなっている。投資に使える資金と時間を豊富に持つ人は高齢者に多い。団塊の世代が退職し、退職金を手にするのも間もなくだ。もし個人投資家を意識するのであれば、年齢の高い世代に配慮して、わかりやすい情報開示や宣伝を進めていくべきであろう。

 話は変わるが、8月17日付の当コラムで、東京グロースリート投資法人のスポンサー企業であるパレックス(旧・東京リート)を、ビジネスバンクコンサルティングが子会社化すると書いた。しかし、協議を重ねるうちに互いに独立しながら提携した方がメリットがあるとの結論に達し、計画を合意解約したそうである。企業同士の連携はなかなか難しいものだ。

(三上 一大)

日経不動産マーケット情報

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