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信託銀行のコンプライアンス強化で現物取引が増加!?

2005/09/30

 通販のたぐいをよく利用するのだが、購入して後悔することも少なくない。最近の失敗はオークリーというブランドのサングラスである。ネットショップで海外直輸入物が安く売っていたので飛びついた。いざかけてみるとサングラスのつるが側頭部を圧迫し、しかも顔の両側がレンズに当たってしまう。どうやら鼻が高く顔幅の狭い欧米人に合わせて設計されているらしい。自分の日本人顔(しかもでかい)をはっきりと認識した次第だ。

 最近、はっきりと認識したことはもう一つあって、それは不動産投資において、なんでも信託受益権にするという風潮にストップがかかりつつあることだ。我々は登記簿を取得することが多いが、現物での取引が増えたなあと、なんとなく感じていた。金融関係者と不動産関係者にその疑問をぶつけたところ、信託銀行が信託を受けないケースが今年初めから増えているとの答えが返ってきた。

 発端は金融庁が検査に入ったことだ。物件を精査せずに信託を受けるなど、コンプライアンス上の問題が一部の信託銀行で指摘されたらしい。それを受けて、信託をいったん解除することを条件にした入札も行われている。受益権にしたければ、落札者の自己責任で新たに信託先を探してほしいというわけだ。

 もちろんすべての信託銀行が問題を指摘されたわけではなく、銀行によって対応がずいぶんと違っているようだが、信託受託の基準は厳しくなる傾向にあるといえそうだ。信託受益権化する目的の一つは、不動産取引にかかる税金を節約することだ。しかし「信託銀行から提出を求められる書類の量が増えて、費用と手間がかかる。かえって現物で取引した方が安上がりというケースもある」と関係者は話す。現物での取引が今後も増えていくのではないだろうか。

 さて、くだんのサングラスだが、顔のでかい知人に安く譲ってしまった。私同様、顔に合わないだろうが、こちらの説明責任は果たしているので文句は言わせない。自己責任で売却先を探してほしいものだ。

(三上 一大)

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