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やがてくるREITの優勝劣敗時代

2005/05/06

 「今は9~10%で回っているが、REIT(不動産投資信託)が出てきたら3~4%の利回りになるだろう」。日経不動産マーケット情報の創刊に向けて準備をしていた2001年の春、ある不動産会社の社長は、このように話した。第1号のREITが上場したのが2001年9月。話を聞いた時点で、J-REIT市場が今のように成長することを見通した人は、ほかにいなかった。

 あれから4年がたち、都心の一部の物件は本当に3%台の利回りで取引されるようになった。当時の取材メモを読み返してみると、この社長の先見性に驚かされる。「REITが本格化したら大型物件がなくなる。そうなれば、REIT資金をあてにした大型開発も始まる」とも語っていた。

 現在、上場REITは16銘柄。5月9日には物流施設特化型のREITも上場する。不動産証券化協会の会員数は200社を突破した。後には、REITの上場をめざす企業が20グループ以上も控えている。お金が流れ込み、人や物の動きが活発になる市場の拡大は素直に喜ばしい。

 問題はその先だ。将来を見通すのは容易ではないが、市場の参加者が増えるにつれて優勝劣敗の原理が働くとみる人は多い。スタンダード&プアーズが3月に発表した「比較分析:日本の不動産会社とJ-REIT」は、米国での事例をふまえたうえで、J-REIT市場でもM&A(企業の合併・買収)などの動きが出てくることが予想されると記している。あるREITの投資責任者も「将来、REITのM&Aが起きるだろう」と語る。

 では、何がファンドやREITの選別要因になるのだろうか。個人的には三つの要素がカギを握ると考えている。第一は人材。ファンドの運用成績は人の判断に左右されるところが大きいからだ。第二は特徴。市場の成長にブレーキがかかったとき、似たような複数のファンドが同じように資金を集められるとは思えない。第三は情報。ファンドの内容について間接的にしか知り得ない投資家は、詳しい情報をこまめに発信するファンドに好感をもつようになるはずだ。

(菅 健彦)

日経不動産マーケット情報

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