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不動産マーケット活況のなか、二兎を追うイトーヨーカ堂

2005/01/21

 ダイエー再建のスポンサー企業を選ぶ二次入札で、産業再生機構はイオン、丸紅、キアコン(本社:渋谷区)をそれぞれ核とする3陣営に候補を絞る方針を固めた。1月21日付の日本経済新聞が伝えたもので、有力視されていたイトーヨーカ堂など4陣営は外れることになった。

 ダイエーといえば、店舗を自前で所有し、その土地の含み益で銀行借り入れをして、出店を進めていったことが有名だ。対照的なのがイトーヨーカ堂で、賃借による出店を基本としていた。その違いがバブル後の不動産価格の下落で明暗を分けた。

 ところが商業施設の専門家によると、イトーヨーカ堂がここのところ、不動産を積極的に取得しているという。更地を買って、自分たちの好きなように店舗を建てる。イトーヨーカ堂がダイエーと違うのは、一定期間の賃貸借契約を結ぶことを条件に、投資家に土地と建物を売却する点だ。店舗開発によって上昇した不動産価値が、まるまるイトーヨーカ堂の儲けとなる。売場面積が増えるうえに、開発利益まで享受できるという一石二鳥の手法だ。

 産業再生機構の立てたダイエー再建計画によると、直営263店舗のうち53店舗を閉鎖する。一方、5年間で400億円を投じ、収益力の高い食品スーパーを首都圏や近畿圏に集中出店する。不動産業界にとっては仕事が増えそうだが、ダイエーはかつての勢いを取り戻せるだろうか。

(三上 一大)

日経不動産マーケット情報

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