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月の土地を買いたくなければ、ソーシング力の強化を

2005/06/24

 開発用地の価格高騰が続いている。「城南、城西エリアのマンション用地は、路線価の2.5~3倍出さないと買えない」と、あるデベロッパーはため息を漏らす。商業地もしかりだ。「銀座1丁目の土地を1坪当たり9000万円で買わないかと持ち込まれたが、いくら銀座でも割に合わないので断った」(ある投資会社)。

 都心で買えないなら、思い切って遠くの土地はいかがだろう。米国ネバダ州にルナエンバシー社という会社がある。なんとこの会社、「地球圏外の不動産業」を名乗り、月の土地を販売しているのだ。日本にも代理店があり、同社のウェブサイト( http://www.lunarembassy.jp/index.html )をのぞくと、月の土地の第三期分譲が始まっていた。1エーカー(4046m2)当たり通常価格3000円のところ、いまならネット特別価格で2700円! 1坪当たりわずか2.2円だ。米国本社で買うと、月の税金として1.51ドルを取られるから、日本で買った方がお得である。

 購入すると、月の土地権利書、月の地図、月の憲法の3点セットが送られてくる。紙切れ3枚で2700円は高い気がするが、すでに世界で130万人、日本でも3万人が土地オーナーとなっている。地球から見える月表面50億エーカーのうち、4億エーカーが販売済みだ。アポロ着陸地については、「すべての人類の利益のために残すべきであると私たちは固く信じるので、売り出し中ではありません」とのこと。月で味をしめたか、火星や金星の販売にも手を広げている。ちなみに金星の環境を調べてみると、地表温度は400℃で、90気圧。硫酸の雨が降るらしい。

 閑話休題。このたび、国土交通省が「土地投資動向調査」の結果をまとめた。上場企業や資本金10億円以上の非上場企業に対して、土地取引などに関する短期的な意向を調査したものだ。3月に実施し、2135社が応じた。これによると、今後1年間に東京23区内の土地を購入したい企業は3.9%、売却したい企業は6.6%だった。同様に大阪府内で購入したい企業は2.5%、売却したい企業は4.5%。その他の地域では購入したい企業が12.4%、売却したい企業が25.3%だった。地方はもちろん、大都市でも売却意欲の方が強いことがわかる。

 とはいえ、不動産の売却に際しては入札を実施することが一般的になっている。立地のいい場所ほど購入希望者も多いため、必然的に価格は上がってしまう。この業界には、どこからともなく相対(あいたい)取引によって割安な不動産を仕入れてくるプロがいる。よく不動産の取得業務のことをアクイジション(acquisition)と称するが、こうしたプロたちに言わせると、自分たちの仕事はアクイジションではなくソーシング(sourcing)なのだという。いかに情報の源(source)に入り込み、購入までのストーリーを描くかが腕の見せ所だ。不動産の取得競争が激しさを増して価格が高騰するなか、まさにソーシング能力が取得担当者に問われている。

(三上 一大)

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