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新天地を求めて企業を飛び出す人たち

2004/12/17

 株式公開企業3684社中、ケネディ・ウィルソン・ジャパンは7位、セキュアード・キャピタル・ジャパンは11位――。何のランキングかおわかりだろうか。答えは「プレジデント」誌がまとめた社員一人当たりの平均年収だ。ケネディは1382万円(平均年齢39歳)、セキュアードは1273万円(平均年齢37歳)だという。この2社は少数精鋭の立場をとっていて、社員の定着率も高いと聞く。

 この業界、定着率が高い会社は珍しいかもしれない。不動産の動きは激しいが、不動産を動かす人たちの動きも激しい。久しくお会いしていない人に電話すると、「その者は退職しました。転職先はわかりません」と言われることも珍しくない。日本経済新聞日曜版の求人欄をみても、必ずと言っていいほど不動産がらみの人材広告が載っている。

 つい先日、転職したばかりの二人に会う機会があった。一人はAさん。いわゆる総合不動産会社から不動産投資会社に移った若者だ。不動産ビジネスを一通り経験した後、ある取引で知り合った投資会社から誘われて転職したという。小さな会社とあって、投資案件の開拓から運用、売却までのすべてを任される。「責任は重いが、その分、以前の会社よりもやりがいを感じて入社した」とAさんは話す。

 しかしそのやりがいも、ひょっとしたらついえる時がくるかもしれない。そう感じたのは転職したもう一人、Bさんの話を聞いた時だ。Bさんは総合不動産会社から日系不動産投資会社に移り、さらに外資系不動産投資会社に移籍した。「日系不動産投資会社に移ったばかりのころは会社も若々しく、思い通りに新しいことにチャレンジできる喜びがあった」とBさんは言う。しかし、会社が成長するにつれ、スタッフが増え、普通の会社になっていった。「これでは以前いた会社の安定した環境を捨てて、新天地に飛び出した意味がない」(Bさん)。そんな時、外資系投資会社から声がかかり、転職に踏み切った。

 不動産市場に投資マネーが流入し続ける限り、次々と新しい会社が立ち上がり、転職市場はにぎわいを見せる。AさんやBさんが活躍できる場が広がることを願わずにはいられない。

(三上 一大)

日経不動産マーケット情報

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