日経不動産マーケット情報トップニュース > 記事(前のページ)

ニュース(フリー)

【連載 図表で見る不動産市場への海外資金流入と今後のシナリオ:第4回】 「情報」が依然としてネック

2008/04/24

不動産投資マーケットが調整局面を迎えるなか、三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部は2008年3月に書籍「不動産マーケットはこうなる」(日経BP社)を出版した。書籍を通じて、今回の調整がデットを中心とした資金面から起きていることを再確認できる。今後のマーケットを読む上で特に重要となる海外資金の流れについて、書籍のなかから抜粋して寄稿いただいた。5回にわたって連載する。

第4回 「情報」が依然としてネック~~海外資金から見た日本の課題

図 日本の不動産投資市場の課題


 アメリカ・欧州の主要国と比較すると、日本の不動産への投資はリスクがなお高いと言われています。

 J-REITの登場等により透明化が進んだとはいえ、日本の不動産マーケットの取引慣行や情報開示の状況は、いまだ欧米の水準には達しておらず、海外の投資家にとっては投資リスクとして認識せざるを得ないようです。

 不動産投資における「透明性」として欧米の投資家が挙げるのは、情報の開示(運用実績、取引条件、財務情報等)、明確性(課税、規制等)、正確さ(収益率ベンチマークなど市場情報等)、標準化(会計、財務報告ルール等)、公正さ(契約や権利の法的執行が可能なこと、専門家等の倫理基準)などです。国土交通省による海外投資家アンケートでも、「情報入手ルートがわかりにくい」「情報不足」ということが挙げられています。

 一つには、海外の投資家にとって、日本の不動産に関するさまざまな情報やそれに対する対応が国際共通語たる英語対応されていないという問題があります。アジアの新興勢力で注目されている香港・シンガポールは英語でビジネスができることが、国際都市化が進む大きな要因の一つとみられています。もう一つの大きな課題である「情報不足」については、市場の拡大に不可欠な取引価格、成約賃料に関する情報の閉鎖性のほか、投資パフォーマンスを示す「不動産投資インデックス」が未整備であることが挙げられます。

日経不動産マーケット情報

ページの先頭へ

日経不動産マーケット情報トップニュース > 記事(前のページ)