日経アーキテクチュア
本誌のデジタル版(HTML)
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2015年8月25日号
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が、新たな段階に入った。先進的な発注者はいち早くBIMを自社業務に導入。建築界は対応を迫られている。設計・施工の現場に押し寄せるものづくり革命の新たなうねり。カギは情報(インフォメーション)の活用だ。先行する企業は、生産性向上へワークフローの見直…
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2015年8月10日号
かつては中・大規模の木造建築というと、大空間建築がほとんどだった。いわば地域で1つか2つの非日常空間だ。それが近年、日常的に使用する「木造ビル」へと関心が広がりつつある。都市部で求められている多層木造建築の実現には、接合部や外壁の納まりに、大空間木造とは全く異なる発想を必要とする。大空間の納まりは「…
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2015年7月25日号
「こんな要望は発注者の無理難題だ」。そう決めつける前に考えてみよう。本当に工夫の余地はないのか。設計や施工の技術革新は、発注者のニーズに応えようとする熱意から生み出される。日々の仕事の流れを見直し、日常的に使う技術を別の角度から眺めてみる。必要なのは奇抜なアイデアではない。少しの工夫と発想の転換が、…
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2015年7月10日号
地方創生が叫ばれている。裏を返せば地方はそれだけ危機的状況にあるわけだ。地方の建築実務者は今後、どんなことにやりがいを見いだせばいいのか。悲観する必要はない。しっかりと地域に根を張って住民と向き合い、建築の在り方を問い直しながら着実に地域を変えている人たちがいる。彼らの多くは自然体だ。成熟社会ならで…
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2015年6月25日号
人類が経験したことのない超高齢社会を前に、医療施設・高齢者施設の変化が加速している。医療施設は、防災拠点としての役割が明確化され、診療や手術の在り方も見直され始めた。高齢者施設では、多機能を複合化することのメリットや、社会とのつながりによる心のケアが模索されている。先端例から見えてきた7つのキーワー…
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2015年6月10日号
2013年10月に改正された住宅の省エネルギー基準が、この4月から完全施行。外壁や窓など外皮の熱性能基準だけでなく、設備機器の一次エネルギー消費基準が加わった。2020年までには新築の住宅で、省エネ基準への適合が義務化される見込みだ。「義務化はまだ当分先だから」と軽く考えていては足元をすくわれかねな…
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2015年5月25日号
6月1日から改正建築基準法が施行される。姉歯事件を受けた8年前の大幅な規制強化とは打って変わって、目立つのは緩和規定だ。大規模木造で準耐火構造を認めたり、超高齢社会への対応のため容積率を緩和したり、構造計算適合性判定の手続きを柔軟にしたりと、建築づくりやビジネスに大きな影響を与える改正が並ぶ。既に、…
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2015年5月10日号
設計した建物はこの先、30年、50年と残る。自分が一線から退いた後、建て主が相談したいときにはどうなるのか。そう考えると、建築設計という仕事は一代では終わらせにくい職業だ。しかし、設計組織の継承はかつてに比べて、格段に難しくなった。社会は成長期から成熟期に転じ、求められる業務の内容は激変している。「…
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2015年4月25日号
建築物の省エネ対策をめぐるルールが大きく変わる。最初の一歩となるのが、政府が3月に通常国会に法案を提出した「建築物省エネ法」だ。大規模な非住宅建築物は、新築時などに省エネ基準への適合が義務付けられる。性能確保へ要となるのが、創設される「省エネ適判制度」だ。義務化は2017年にスタート。2020年へ向…
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2015年4月10日号
3月13日、建築界に衝撃が走った。東洋ゴム工業が免震部材の製品出荷時の検査データを改ざん。大臣認定の取得でも不正を働いていたことが発覚した。被害物件は、庁舎や病院、マンションなど多数に上る。社会の批判はデータを偽装した東洋ゴム工業はもちろん、偽装を見抜けなかった関係者にも向けられている。崩れた免震の…
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2015年3月25日号
言うまでもなく、人命を守る地震対策は最低限の対策にすぎない。震災に遭遇しても安心して住み続けられる住宅を求める傾向が、東日本大震災後に強まっている。固有周期の異なる2棟を連携して揺れを抑えたり、震災後の建物の状況を即座に把握するシステムを導入したりして、安心を訴求する住宅が広がっている。
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2015年3月10日号
東日本大震災の事故を教訓に、大幅に耐震規制が強化された天井やエスカレーター。しかし、新基準は高コストと難工事が避けられず、耐震改修は停滞したままだ。現状打開に向け、コストと安全性を両立する現実解を模索する動きが広がっている。正念場を迎えている戸建て住宅の液状化対策も含め、耐震規制の実効性を検証する。
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2015年2月25日号
2014年に1300万人を突破した訪日外国人。半世紀ぶりの東京五輪が開催される2020年に合わせ、目標とする2000万人達成が現実味を帯びてきた。空港、駅、宿泊施設などが旅客をもてなす空間に変貌しつつある。観光立国を目指す日本。建築はどのようなしつらえで外国人観光客を呼び込むのか。各地の取り組みや識…
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2015年2月10日号
地域の様々な問題をつくることで解決するのは限界がある。そもそも無理だ。建築の領域を超えた新しい地域再生モデルの登場が求められている。一歩踏み出した先人たちは、既存の建築ストックを活用し、医療相談や飲食店経営など日常生活の活動の「場づくり」に可能性を模索する。人口減少や少子高齢化、コミュニティーの崩壊…
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2015年1月25日号
大都市圏を中心に新しいタイプの漏水事故が表面化している。超高層マンションや地下居室で発生するトラブルだ。どちらも莫大な補修費がかかるうえ、被害拡大を容易に止められない。トラブルを未然に防ぐには、厳しい立地環境を考慮した入念な設計が求められる。防水性の高い材料を選び、排水経路を十分確保した納まりを考え…
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2015年1月10日号
2015年は建築・住宅を取り巻く「法」が大きく変わる。建築基準法と建築士法の8年ぶりの大改正。老朽化対策を強化する空き家対策特措法、地域活性化を促す改正都市再生特措法、省エネ基準適合義務化や電力小売り自由化も見逃せない─。新ルールは、日本の社会問題を解決し、2020年に向けて新たな建築ビジネスを生み…
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2014年12月25日号
アジアが熱い。伊東豊雄氏の新たな挑戦ともいえる台湾の台中国立歌劇院の一部が一般公開され、現地は行列ができるほどの歓喜に沸く。チャレンジングな提案を評価するムードが、アジアの新興諸国にはある。年々伸びる建設投資も魅力だ。不動産開発の過熱状態は過ぎたが、巨大なマーケットを背景に大型開発が続く中国。経済共…
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2014年12月10日号
リノベーションの潮目が変わった。主にデザインやテーストで訴求する草創期から成長期へと移り、住宅本来の品質も備える提案が求められている。その背景には、空き家対策や少子高齢化、住まい方の変化など変わりゆく社会のニーズがあり、リノベーション市場の広がりがある。新たな動きがある1棟丸ごとリノベーション、シェ…
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2014年11月25日号
日経アーキテクチュアは日経ホームビルダーと共同で、読者など約3万8000人を対象に「採用したい建材・設備メーカー」を調査。本誌では、一級建築士1991人の回答結果を49の部門別にランキングした。その結果、8部門でトップが変動。前年にトップから転落した企業が、返り咲いた例も目立つ。ランキングとは別に、…
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2014年11月10日号
地方があえいでいる―。人口減少という荒波で自治体が消え去る恐れすらある。無秩序な拡大を続けてきた市街地を単に集約するだけでは、もはや都市は救えない。「地方創生」を掲げて、政府は新組織を発足。地方の再建に本腰を入れ始めた。建築実務者は、「地方創生」に何ができるか。民間が主導する「攻め」の地域再生が、そ…